2009年12月アーカイブ

 常々、私たちエコビジネスネットワークは、環境ビジネスの主なテーマのひとつに環境調和の上に成り立つ資源確保を挙げている。21世紀は資源の争奪戦の時代である。資源の多くを海外に頼る資源小国の日本は、より一層深刻である。さて、来年2010年の環境ビジネス市場で、かなり有望視されるのが、エネルギーとマテリアル資源だと読む。根拠は石油などの化石燃料が高値に推移していることだ。原油価格は、12月に入ってから本年度の最高値を付けている。今年1月半ばの1バレル43ドル近辺をボトムに上がり始め、この12月18日現在、同74.69ドルまで上昇している。
 原油の値上がりは、石油代替エネルギーである新エネルギー、エネルギーの高効率利用の省エネ、エネルギー貯蔵の蓄電池などのエネルギー関連に併せて、廃棄物の再資源化(リサイクル&リユース)のマテリアル関連に波及し、それぞれの事業・技術開発を加速化するキッカケになるだろう。新たな資源開発を誘引する原油価格の相場つきは、以前とは異なる変化が始まっており、高値で安定するトレンドに入った。背景には、石油のかかえる枯渇性、オイルピーク地政学上の問題、さらに産油国の油田の国有化など、さまざまな要因が挙げられる。
 原油相場の見通しについては多数のアナリストのレポートが届くが、丸紅経済研究所の柴田明夫所長は「景気いかんにもよるが、2010年の原油の世界需要は07年のピーク水準である日量8650万バレルをうかがう可能性があり、原油価格も水準を切り上げるだろう」と予測。来年以降、年間を通しての下値レベルも「80ドル程度に上がるのではないか」とみている。中国、インドなどの新興国の需要拡大を踏まえて、原油価格は将来にわたり"下がらないトレンド"に切り替わった、と言える。
 そんな考察から、資源小国の日本にとって、時刻で調達でき、環境負荷の少ない新エネルギーの開発、廃棄物に拠る資源再生は重要であり、関連企業には大きなビジネスチャンスの拡大につながるのは間違いない。
 ゼネコン大手各社は、いよいよ本腰を入れて環境事業に注力し、経営の柱のひとつに据える構えだ。背景には新政府が2020年度までに1990年度比で温暖化ガスを25%削減する目標を表明。オフィスビルや商業ビルなどの民生部門のCO2(二酸化炭素)排出量が全体の約2割を占め、また10年4月から改正省エネ法が施行。東京都も大規模事業所への排出総量削減義務を導入するため、各社はビルを所有する不動産会社などが対策を強化する、と見込んでいる。そこに商機あり、と見ているからだ。
 ビル建設の着工率の減少、新政府の大型の公共事業の見直しなどで、収益の大幅縮小は避けられないため、各社とも新たな収益源確保に迫られての環境事業へ の取り組みである。大成建設は、従来の環境関連部署を一元化して「環境本部」を設置。設計や営業などの担当者を結集して約100名規模で取り組む。省エネ ビルの建設受注を3年で20件。その他、工場跡地などの土壌浄化、生物多様性の保全できる都市計画などのメニューをそろえ、環境事業を手がける。清水建設 は9つきに省エネ型オフィスのショールーム「超環境型オフィス・ラボ」を都内に開設。鹿島建設は電流を細部で制御して電力を抑制できる新型空調に切り替え るなどの改修工事をビル所有会社などに提案していく。大林組はコンクリートの床の裏側に蓄熱効率を高める空調技術の実用化を進める。竹中工務店はオフィス 内の座席ごとに空気の微調整可能な空調システムを提案するという。
 各社ともに横一線の空調更新がメインメニュー。新規性なし、新市場を開拓するには材料不足の感は否めない。電気設備関連の事業分野である。まずは低炭素社会のグランドデザインを示すのがゼネコンの役割ではないか。今後の革新的な進展を期待したい。

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